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日記75日目

チールの月7日。

宮の中と外の庭園を調べてわかったことを、今日は少しずつまとめる。
まずは「私」のこと。
・皇帝の娘で皇女。
・↑でも皇帝から殺したいほど嫌われてて、大人になったら殺される。
・↑殺される前提の娘だから、みんな皇女であっても扱い雑。

次にお姉ちゃん
・優しくて美人で「レーティア」って名前の私の大好きなお姉ちゃん!!
(↑ここ重要!)
・キレイな金の髪と、宝石みたいにキレイなエメラルド色の目をしてる。
・皇帝のお妃の一人。
・アバロネスト帝国の第三皇女で、こっちには人質として嫁いできたみたい。
・美人だからよく絡まれる。

皇帝
・私を殺そうとする狂人。
・私が生まれる前から色々してたらしくて、男兄弟全員を自ら処刑して、姉妹は全部周辺諸国に売り飛ばした。
・父親の先代皇帝の葬儀のときにも棺桶蹴飛ばして、その場で火をつけて燃やした。
・母親の皇后は死ぬまで監禁して、死んだ後も葬儀は皇族としてじゃなくて普通の人と同じ扱いをした。
・三度の飯より戦争が好きで、他国にケンカを売るのが趣味。
・そのおかげで領土は過去最高になった。
・意外と執政はまともらしい。でもそれは宰相とかが頑張ってるからとか。
・女性関係は最悪。
 そりゃ後継者問題とかあるんだろうけど、毎晩女の人をとっかえひっかえしてる。
・↑皇帝は胸の大きな女性が好き。
 毎回「呼ばれた!」って喜んでる妃たちを観察してたけど、みんな胸デカかったからこれは当たってると思う。
・↑アーグレフトってオバサンがその中でも一番のお気に入り。

オバサン
・アーグレフトって名前
・この宮で一番の権力者で、他の妃たちを従えてる。
・若いお姉ちゃんを目の敵にしてて、よく絡んできてネチネチ言ってくる。
・皇帝の趣味のデカい胸と尻の人。

建物とか
・超広くて、4階建て。
・1階には厨房とか私の部屋とかお姉ちゃんの部屋とか、色々あるけど噂だと前に一度血まみれになったことがあるらしい。
・↑犯人はもちろん皇帝。私が生まれたときで、私のお母さんもその時に死んだらしい。
・↑だから1階にくる妃は最下位って思われてて、上に行くほど偉いことになってるみたい。

・庭園も超広い。
・あちこちに「東屋」ってのがあって、そこで妃たちは優雅にお茶したり、お喋りする。
・ここ以外にも庭園があって、どこも同じぐらいに広いらしい。
・庭師の人が頑張って、季節ごとの花をキレイに咲かせてくれてる。

今のところこんなカンジ。
まあ歴史ある帝国みたいだし、こういう場所って色々ドロドロしてるってのも、創作物とかでなんとなくわかってはいたけど……やだなあ。

いっそ、お姉ちゃんを連れて逃げ出せたら

~~~~~~

そこまでを書いて、皇女ははたと止まった。
小さく開いている窓からまだ少し冷たい春の風が、花々の香りを運ぶ中、皇女は勢い良く顔を上げた。

「そ、うだ……!
 そうだよ! 逃げればいいんじゃん!」

床から立ち上がり、窓の外の空を仰ぐ。

「別に皇帝の下にいなきゃいけないこともないんだろうし、
 殺したいって事は私がいなくなったところで痛くも痒くもないだろうし!
 お姉ちゃんは妃だけど……でも皇帝のところに行かなくてもなんも言われてないってことは、別にお姉ちゃんもここにいなくても問題ないはずだし!」

大きく頷いた皇女は再び日記にペンを走らせた。

~~~~~~

そうだよ逃げよう!
別に皇帝の側で待ってる必要なんてないし!

すぐには私の肉体年齢的にも無理だろうけど、今から庭園とかあちこち歩き回って、色々調べて、大きくなったら逃げ出せるように準備しよう!
生まれ変わってまだ家事とかしたことないけど、前世の記憶があるからある程度は何とかなるでしょ!

お姉ちゃんには……色々できるようになったら話そう。
じゃないと絶対に心配されると思うから。

そうと決まれば、明日からも周辺の探索、頑張るぞー!

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祝10話目!!

男女関係などには無頓着。
一応人並みにその手の話を受けて恥ずかしがったり怖がったりするけれど、次の瞬間には「聞いた話だから」と割り切ってしまう感じです。

>20200519

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